開発プロセスの量産化や生産管理・工程管理を行う際に使用する、ヒストグラム化やCp, Cpkの算出を行うフォーマットを作成しました。
①生データと各条件②ヒストグラム区間、③区間の最小値、④規格上限、下限、⑤グラフラベルを入力するとヒストグラムが作成できます。
1. 完成図
一番初めに完成図を載せておきます。
後述の手順を実施することで、下記フォーマットが作成できます。
●使用する関数
IF、COUNTIF、MIN、MAX、STDEV
2. 作成方法
フォーマットの作成方法を順を追って説明します。
①ヒストグラム用区間データの作成
まずはヒストグラム用の区間データを作成します。
ヒストグラムの区間は連続した数値を特定の間隔で区切ったものなので、
区間1の最小値は入力した《区間の最小値》、最大値は《最小値+区間間隔》で表示できます。
以降の区間に関しては最大値は同様、最小値は《前区間の最大値》で表示できます。
②グラフラベル(X軸)の作成
次にラベル用のデータを作成します。ラベルは最小値と最大値の平均値とします。
③ヒストグラム度数データの作成
次にヒストグラムに使用する度数データ(Y軸)を作成します。
ヒストグラムの度数(Y軸)は区間の最小値≦(数値)<最大値となる数値の個数となるので、COUNTIFS関数で数値の個数をカウントします。
④ヒストグラムの度数データの(Y軸/1条件)作成
⑤グラフの作成
③④で作成した、度数データのいずれかを選択し、ヒストグラムを作成します。
グラフは《2D縦棒》の《集合縦棒》を選択する。
このままでは棒グラフ間の間隔が空いてしまうので、系列のオプションから《要素間隔を0%》に変更します。
⑥グラフラベルの選択
このままだとグラフの横軸が1,2,3・・・と表示されてしまうため、②で作成したグラフラベルを表示するようにします。グラフラベルの表示はグラフデータの選択から設定できます。
⑦軸ラベルをセル参照にする
複数のグラフを並べる場合、軸ラベルを変更する場合には、1つ1つ手動で変更する必要があります。その対策としてセル参照にすることで、セルの文字を変更するだけで複数グラフの軸ラベルを変更することができるようになります。
⑧規格上限下限の選択、各種データの算出
Cp, Cpkの算出に必要なものは、
規格上限・規格下限、生データの最大値・最小値・平均値・標準偏差
なのでそれぞれを算出する関数を使用します。
この時IFERROR関数を使用して、エラー時に空欄が表示されるようにしておくと、データなしの時のエラー表示を回避できます。
⑨Cp, Cpkの算出
⑧で取得したデータからCp, Cpkを算出します。
⑧と同様にエラー表示回避のためIFERROR関数を使用すると、表示がすっきりします。
Cpは関数なしで表示可能なので、各データを選択して四則演算することで算出します。
Cpkは(規格上限ー平均値)もしくは(平均値ー規格下限)の小さい方を採用するので、MIN関数を使用します。
フォーマットの作成方法は以上になります。
生データを入力すると、ヒストグラムやCp,Cpkが自動で出力されます。
グラフの範囲などは微修正する必要がありますが、エクセル内のヒストグラム作成よりは使いやすいと思います。
複数データとの比較もしやすいので、ぜひ作成してみてください。